モーターバイク
今日は趣味のうちの一つ、バイクのことを書き込みます。
当教習所ではバイクの教習はやってないのですが、以前勤めていた教習所ではバイクの教習をやっていました。
プライベートでバイクに乗り始めてかれこれ24年とちょっとになります。もうベテランライダーの仲間入りです。歳はとりたくないものですけど(-_-;)
バイクの良さは、身体で風を切り、道路の形状に合わせてバンク角を決め、速度を落とさずに綺麗にコーナーを極める爽快感。これは四輪とは一味違う醍醐味で上手に曲がれたときは最高の気分です。
しかし、この二輪という不安定な乗り物を乗りこなすにはかなりの経験が必要です。
永年バイクに関わり続けて思うことが、バイクに乗っているライダー達は皆、バイクの本当の難しさを理解して乗っているのだろうか?と。
では、バイクの運転で一番何が難しいのか?
ちょっと意外かもしれませんが、それは速度を出した状態からのブレーキ(急制動)なのです。
スピードは気合いと根性さえあれば誰にでも出せますが、路面状態等をいち早く読みとり、状況に会わせ、適切な強度をもってブレーキをかけ、どのような状況でも安定性を保って安全に止まるには熟練の技と判断が必要になるのです。
一歩間違えると、ブレーキによる転倒で命を失うこともあるのが二輪の急制動なんです。
では、バイクのブレーキはどのようなかけ方が安全なのか?を説明します。
それはただ握るブレーキではなく、圧をかけるブレーキを理解する必要があるのです。
例えば、走行しているバイクの前に何かしらの事態が発生したときに、とっさにブレーキをかけます。
ここで何も考えずに一気にブレーキを握りこむと転倒してしまいます。
何故かというと、バイクのタイヤは地面との接地面が極端に少ないため、車に比べてスリップしやすいからです。
そして転倒すると事故や怪我に直結するのがバイクの恐ろしさです。
バイクのブレーキで転倒しないためには次の事を理解する必要があります。
バイクは走行している時の重心はやや後ろにあり、ブレーキをかけると、重心は後方から前方に一気に移動します。
この時、重心がフロントに移動したことにより、サスペンションが沈みこみ、やがてフロントタイヤに圧力がかかります。
通常、走行中のフロントタイヤは地面に指一本分(約1㎝ほど)しか接地していませんが、ブレーキをかけることにより重心が前方に移動し、タイヤに圧力がかかって接地面が指一本分から二~三本分に増えていくことで確実な制動力を得ることが出来るのです。
長々と理屈を書きましたが、これらに要する時間は一秒ちょっとなんです。
ライダーはこの一秒ちょっとの瞬時に路面やその他状況を把握してブレーキをかけ、時には一度ブレーキを解除して、またかけ直すような状況もあるかもしれませんが、どのような状況でも安定性を保ち、安全に停止できるようなブレーキをかけなくてはならないのです。もちろん、四輪車のようにABSが標準装備なんてことはないですから。
ただ単純に強いブレーキをかけると、タイヤに圧がかかる前にロック状態となり、転倒につながることになるので、ブレーキのかけ始めから強く握り込まず、絞り込んでいくようなかけ方をすることによってタイヤの接地面を増やし、転倒しにくいブレーキをかけることができるのです。
これらを理解して実践できないのであれば、免許をとって何年経っても二人乗りはしてはいけないと思います。
同乗者の頭部は地上約2メートルの高さになるのでより危険ですから。
安易に人をバイクのタンデムシートに乗せたり、乗せてもらったりしてはいけないのです。
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