割れ窓理論と富士山

割れ窓理論というのを知ってますか?
 
 
建物の窓が割れ、それを放置すると周辺の環境もそれにつられ悪化していくというものです。
 
割れた窓ガラスを放置すると・・・
 
この建物の周囲には誰も感心がない→ゴミのポイ捨て→不法投棄(軽犯罪)→治安の悪化(ひったくりや傷害事件)
 
・・・ちょっとしたきっかけが雪だるま式にふくらんでいく。怖いですね。
 
 
 
実は日本の名峰、富士山にも似た経緯があります。
 
昔は霊峰富士と呼ばれ、神の棲む山ということで崇められてきました。
 
幕末の頃、イギリスの駐日公使オールコックという人が富士登山をしようとしたところ、当時の幕府は神聖な場所に外国人を立ち入らせたくないとの思いから色々と難癖をつけて登頂を阻止していたほどです。
 
 
その神聖な山、現代の富士山はどうでしょう。http://sozai.yutorilife.com/photo/fuji270.jpg
 
 
富士山と聞いてまず思い浮かぶのがゴミ問題です。
 
ある登山家が言った有名な言葉に  ”ヒマラヤを富士にするな・・・”
 
外国のとあるガイドブックに  ”富士は登る山ではなく遠くから眺めるもの・・・”
 
世界遺産の選考の際、ユネスコの担当者が  ”富士のゴミと屎尿を見て驚愕・・・”
 
富士の裾野の第○サティアンなんてのもありましたね・・・。
 
結果、世界遺産には登録されず・・・。

 
 
きっと昔は塵一つ無い、すばらしい山だったんでしょう。
 
そこに誰かが最初のゴミを捨てて・・・。塵も積もってなんとやら・・・。
 
世界一ゴミの多い山としての汚名。
 
そのため、山登りを趣味としている本物の山屋さん達は富士山には行きたがりません。
 
誰だってせっかく大事な時間とお金を使って山に行って、嫌な気分になりたくないですよね。
 
 
 いったい誰が汚しているのでしょう。
 
それは自然や山にもルールやマナーがあることを知らずに山に入ってきてしまう人々です。
 
自然=自由=自分の好き勝手、と勘違いしてしまう人達。
 
マナーやルールを守らない、日頃のストレスとゴミを岩陰に隠して身軽になった心ない人々です。
 
山にもルールやマナーがあります。
 
例えば、山頂で美味しい空気を吸いたいものです。そこに煙草の煙がきたらどうでしょう?
 
ちょっと一休みに腰を下ろした岩陰にコンビニのビニール袋があったらどうでしょう?
 
せっかく苦労して登ってきた最高の瞬間が一気に台無しです。
 
 
 
そんな中、登山をしながらゴミ拾いをしている登山者もいるようです。
 
聞くところによると、登山口からのゴミ拾いで10㎏にもなることがあるそうですよ。
 
今、かなりの数のボランティアの人々が定期的に山に入ってゴミ拾いをしているそうです。
 
そのかいもあって、昔ほどではなくなっているとのこと。
 
 
マナーやルールを守らない人はちょっとした出来心からそのようなことをするのでしょうが・・・。
 
きっとその人の心の中の窓も、割れたまま放置されているに違いありません。
 
そんな心の持ち主はどこかでその割れた窓に気づき、修繕をしなくてはならないと思うのですが。
 
 
自分の好きな趣味や遊びで中途半端なことしかできない人、何事もルールやマナーを守れない人はきっと物事の神髄を見極められない偽物の趣味や人生を楽しむのでしょうね。
 
ちょっと今回は毒舌でしょうか・・・。
 
byおっちゃん