ウワサの葛飾人(1人目) 柴又の外道漫画家「平松伸二」先生

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※平松伸二先生の使用許可済

●「地獄へおちろ~!」

 

昭和生まれの男子ならこの台詞だけで何が言いたいのか共感してもらえるハズだ!

理解できない輩は男子として失格です。

 

ハッキリ言わせていただくが、理解できない男子に用はないので、帰って良し!

帰って地獄の響きを聞け~!

 

 

トップの写真は、言わずと知れた、法で裁けぬ悪人達を黒い翼を持った「黒き天使達」がブッ殺す!

「ブラック・エンジェルズ」の超がつくほど有名な台詞ですね。

 

もう一度言いますが、悪人を裁くのではなく、「ブッ殺す!」で正解!。

 

1981年~1985年に週刊少年ジャンプで連載されていた漫画の名セリフが平成の世に作者自身の「書」という形で世の中に登場した事に、、身震いするほど興奮している。

 

 

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※喫茶セピア店内にて

●「リッキー台風」「ブラック・エンジェルズ」を生み出した外道漫画家!
平松伸二先生は柴又に居た

 

正直、先生の作品は小学生の頃から大人になっても読み続けているくらい好きなので、勝手に世田谷区等の高級住宅地に住まれているものだと想像していた。

書かれる漫画の内容も、過激かつ大胆でアダルトな内容の物が多いので、ヤクザのような強面の方として勝手にイメージしていました!

 

百聞は一見にしかずという言葉の示す通り、実際の平松先生は葛飾区「柴又」という下町に30年以上住んでいるという。

しかも、独特の神々しい超能力者的オーラをまとっているものの、こんなダメ人間の代表のような筆者にも優しく取材に答えてくれるあたり、ド外道ではなく優しい紳士だった。

 

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●なんと!お酒よりもバナナジュースがお好き

 

「実はお酒が飲めないんですよ」

先生からそう言われた瞬間、凄く驚いた。

先生の書く漫画の登場人物たちとは、まるで正反対の人物像だった。

人のイメージとは恐ろしい物で、銀座あたりでウィスキーをガンガン飲んでいる方を想像される方も多いと思うが、

今回、先生への取材を行った「昭和レトロ喫茶 セピア」でも「バナナジュース」「ナポリタン」を美味しそうに食べていた。

 

かくいう筆者も「お酒が飲めない」「バナナジュースが大好き」なので、今回はあつかましくも先生と同じメニューをいただきました。

 

先生曰く「実は硬派な漫画を描いている人は軟派な人が多いんですよ。」との事。

同店では「ナポリタン」と「バナナジュース」を頼む事が多いそうです。

 

セピアさんにおける「ナポリタン」+「バナナジュース」をウワサの葛飾では、

勝手に「平松セット」と命名します。

※セピアさんゴメンなさい!

 

 

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●どうして葛飾に?

岡山県出身だが、葛飾に住んで30年以上になる平松先生。

プロの漫画家になるには上京しなければならないという時代背景もあったと思いますが、何故、葛飾に住まれる事になったのですか?

 

「本当は浅草あたりのガチャガチャした所に住みたかったんですけど、実はカミさん(安江うに)が小岩出身なんです。

で、『良い所があるから見てみたら?』って言われて見に来たら良い所だったので、30年以上ずっと住んでます。」

 

お話を聞いてみると、自宅とアトリエは同じ場所で1階は住居、2階はアトリエとして使用。

2階へはアシスタントの方が出入りする為に、直接上がれる階段をつけたとか。

 

決して平松先生の漫画に登場する「総理大臣」が使用するシェルターのような仕事場で「一切の隠し事をしない」という意味で「全裸作業」を行っている事は無いそうだ。

 

 

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※四件茶屋で行われた原画展より

 ●「いんだよ、細けえ事は」ならぬ「面白ければいんだよ」

昨今「いんだよ、細けえ事は」の台詞が定着した「松田鏡二」(初出:ブラック・エンジェルズ)は、ショットガンの弾を全て手で叩き落とし、蹴りで放射能を払いのけたりと、ある種「トンでも展開」が先生の作風として、ファンを魅了しているのだが、その作風の根底にあるのが「面白ければいんだよ」の精神。

 

今なお受け継がれている「アンケート至上主義」の雑誌で連載を続けていくにあたり、毎週、雑誌の担当者にアンケートの順位を聞いては、常に自身の漫画が面白くなる事を模索していたという平松先生。

アンケートの順位結果で「読者が面白くない」という判定が下れば、すかさず内容の修正をおこなってきたという。形に拘らず、常に「読者が面白い」と思ってもらえる物を提供できる、柔軟な発想と適応力こそが「面白ければいんだよ」に繋がる。

 

しかし、平松先生にも思うような結果を残せなかった漫画もある。

実は筆者も気になって仕方がなかった「キララ」と「ラブ&ファイヤー」に関して、「あれは失敗だった。」と臆せずに教えてくれた。

 

念のために言っておくが、上記2作品は完璧にリアルタイムで読んでいた事もあり、ブラック・エンジェルズの後半の内容よりも色濃く記憶しているし、出来ればビシッとしたラストが読みたいと、今でも思っています。

特に「キララ」の銃弾の毒素に蝕まれた身体で主人公がどうなって行くのかについては、いまだに知りたい!

 

 

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※四件茶屋で行われた原画展より

 ●ファン泣かせな平松先生

2015年現在、三軒茶屋にある「四件茶屋」にて「平松伸二 原画展」が6月2日まで開催されており、会場では30年以上前の物の原画から、今回の為に描き下ろされたイラスト、書(超おススメ)や直筆イラストTシャツの展示と販売が行われている。

 

 

筆者も足を運ばせてもらったが、コレは感動するよ!

 

 

会場へは平松先生自身もマメに足を運んでいるそう。

「原画展に来てくれるファンの人は、なかなか自分から話しかけにくいみたいだから、ファンだと解ったらなるべくコッチから話しかけるようにしてるんだよ。」

と教えてくれた平松先生。

 

 

平松先生に話しかけられないファンの気持ちはもの凄く解る!俺もそうだ!

 

 

ちゃんと色紙などを用意してくれれば、よほどの事がない限りサインにも応じてくれるという平松先生。

中には、サインをもらったファンが嬉しくて泣いている人もいたという話も。

 

 

すみません!俺も今回の取材で色紙にサインをいただいた!でも、ギリギリ泣かなかった!

 

 

 

代表作である「ドーベルマン刑事」(原作:武論尊)が週刊少年ジャンプに初掲載されてから2015年で40年、そして平松先生自身も還暦を迎える本年。

 

まさに平松伸二先生のアニバーサリー・イヤーを迎えるにあたり、いちファンとして、先生の漫画について聞きたい事は山ほどあるが、実際の平松先生を前すると、口から出てきたのは「アウアウ・・・」だった。

「史上最低の記者」として認知された事は間違いないだろうが、同時に平松伸二作品についての愛情も伝わっていれば幸です。

 

 

最後は筆者が特に好きなアレでシメさせていただきます。

 

 

 

ア~、どす恋、どす恋

 

 

 

平松伸二先生!

ごっちゃんです!

 

 

ウワサの葛飾人「平松伸二」先生も訪れる、今回の取材場所

昭和レトロ喫茶 セピア

東京都葛飾区柴又7-4-11

電話     03-6657-8620

営業時間 10:00~19:00

定休日  毎週 火/水