ウワサの葛飾人(6人目)
夢を紡ぐ日本一のオートレーサー
鈴木圭一郎
「趣味はオートです」
目をまっすぐに見て話すその姿は、本当に23歳かと驚かせたと同時に、
ああ、だから日本一のオートレーサーなんだと理屈なく記者を納得させた。
彼の言葉から伝わる匂いに偽りがなかったから、まっすぐに記者の懐にストンと落ちた。
彼の名は鈴木圭一郎。
1994年堀切生まれ。
2013年7月5日のデビュー戦で見事に初勝利し、その後も最年少、史上初の優勝記録を次々と獲得。今期も日本一に輝いたが、ただの日本一ではない。
4期連続日本一のオートレーサーだ。
・・・・と、詳しそうに書き始めたが、
記者はオートに全く詳しくない。汗
鈴木圭一郎選手のことも、こんな人が堀切にいるよ!と知人に聞いたくらいで
へぇ~と聞き流すくらいだった。
圭一郎選手にお会いしたのは2018年の5月。
オートのことを知らない記者の無知もいいところの質問に、飾りない言葉で、ひとつひとつ丁寧にまっすぐに答えてくれた。
その中でも印象的なのは、選手がレースでバイクに乗るだけでなく、整備も自身で行うということ。
選手自身がバイクと自身の双方のコンディションを試合に備えるという奥深さに興味を持った。
オートレースの規定で決められている部品のひとつひとつを見ては試し、試合のたびにバイクの微々たる部分を調整し備えるという。
レースだけでなく、整備まで?!
一回一回の試合にどれだけの労力がかかるだろう。
スポーツの世界はもちろん、どんな世界でも結果が全てであるし、脚光を浴びる。
しかし、その裏側で、どんなところでも結果を出すために最善を尽くして努力する人たちがいることを思い起こさせた。
私たち一般に見えている看板は、輝かしい『日本一のオートレーサー鈴木圭一郎』。
しかし、整備を含めたバイクやレースの話をしているとき、その裏側の見えない部分にある彼の日々の勤勉さや努力、そして技術力への向上心があふれている気がした。
何よりオートレース愛がなければ、バイクが好きじゃなければ続けられない。
だからこそ、取材が始まってすぐ、オートのことを何も知らない、彼が4期連続日本一だということを知らない「趣味はなんですか?」というアホな記者に
「趣味はオートです。」
その一言ですべてを納得させたのだ。
彼が7歳のときにポケバイを始め、小学4年生のとき、レーサーになりたい!とバイクが夢に変わった。
小学校6年生。オートのSG(※)の表彰式で優勝者が賞金の看板を掲げるのを見て
「あれとってくる!!」といったことから、彼の夢への歩みはぐんぐん進んだ。
そして今、オートレース場には、彼を見て「ああなりたい!」と夢を持つ子供たちがいる。
彼が彼自身と闘い、向き合い、夢を叶え続けている最中にも、子供たちの夢になって広がり続けている。
堀切出身の23歳。オートレーサー鈴木圭一郎。
好きが夢になり、その夢が次の世代の夢になる。
オートに興味がなかった堀Aモンも、確実にオートレースが好きになり始めています。
何よりレースがとても面白い!!
百聞は一見に如かず。
ネットでも見られるので、みなさんもぜひ見てくださいまし♪
オートレースオフィシャルサイト http://autorace.jp/
オートレースネットスタジアム http://autorace.jp/netstadium/
※SG…オートはグレード制の競走体制であるが、中でも年5回行われるスーパーグレード(SG)はその頂点。